修繕積立金の値上げについて
修繕積立金が不足?
国土交通省の案とは?
今回は修繕積立金の値上げに関するニュースをご紹介します。
まず修繕積立金というのは、分譲マンションにおいて大規模修繕工事のために毎月
積み立てておくお金です。
管理費との違いは、マンションの日常的な維持管理のための費用に対して掛かるのが
管理費で修繕積立金は、屋上や外壁塗装、共用部分のリフォームなどの大規模修繕や
不測の事故などに備える目的があります。
この修繕積立金を巡り、国土交通省は段階的に引き上げて区分所有者から徴収する
場合の最終額を、均等に割った場合の1.1倍以内に抑えるよう求める案を示しました。
そもそも修繕積立金の集金方法には、毎月一定額を集める「均等積立方式」と、
建物が経年するにつれて金額を上げていく「段階増額積立方式」があります。
多くのマンションでは販売業者が、初めの修繕積立金を安くすることで物件を
売りやすくするため「段階増額積立方式」が採用されています。
普通に行っても段階的に修繕積立金が値上がりしていくのに加え、
昨今の資材や人件費の高騰によって修繕積立金が不足する管理組合が増えていると
言います。
国交省の調査では、長期修繕計画に対して積立金が「不足している」というマンション
の割合は約35%もあるそうです。
中には修繕積立金が不足したために1年で修繕積立金を一気に3.5倍にした例も
あります。
こうしたことを受けて国土交通省の基準案では、改修に必要な額を計画期間の月数で
均等に割った額をベースに、当初の額を低くしすぎないよう下限はその0.6倍、
上限は1.1倍とする案を出しました。
当初額が下限なら、増幅額は最大で約1.8倍になるのだそうです。
この案は、新築分譲マンションでも今後は修繕積立金が今までに比べ、高めの設定に
なることも意味しています。
値上げをするにも、総会で住民の同意を得ることも必要になりますし、
よほどしっかりとした管理組合のマンションを選択しないと将来的に問題になるかも
知れません。
マンションの修繕積立金に関するガイドライン
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001600153.pdf