立ち合いなくても境界確定? NO.2
境界立ち合いの重要性
立ち合い拒否は、災いのもと?
前回は、地籍調査の説明だけで終わってしまいましたので、今回はその続きです。
現在、地積調査は想定よりも遅れており、実施率は22年度末時点で全体の52%どまり
です。
19年度時点で57%としていた目標にはとても達していません。
遅れる要因の一つが、境界や面積を確定する場合に所有者による現地調査の立ち会いや
図面での確認を必要としていることです。
こうした協力が得られず境界が未定となった土地は22年度だけでも約9,200区画あったと
言います。
このようなことは地籍調査の場合ではなく土地売買の現場でもそうです。
我々も仲介した土地の測量立ち合いに出向く時がありますが、最近多く聞かれるのは、
「なんで隣りの人のために平日に仕事を休んだり抜け出したりしてわざわざ時間を
作らなければならないんだ?」
「立ち会ってやってもいいけど謝礼くれるの?」
確かに関係のない、よく知らない隣地の人であればこのように言いたくなる気持ちも
少しはわからないでもないですが、考えてみてください。
もしあなたが協力しないことで筆界確認書が作成できずに売買が不成立になったと
したら、隣りの人は決して忘れないでしょう。
将来、今度はあなたが自分の土地を売り出すことがあったら測量立ち合いに
その隣りの人は協力してくれると思いますか?
現場では、隣地の人と仲が悪いケースが時々あります。
それはほとんどの場合、感情的な問題です。
「境界なんかどうでもいい、昔、おまえの爺さんに家はいじわるされたから絶対に
協力しない。それが我が家の爺さんの遺言だったから!」
過去に私は本当にこのような場面を経験しました。
境界立ち合いは、「お互い様」の気持ちでやっておく方が後々このような災いを
もたらしませんよ。
またまた話が逸れてしまいましたので、最後に本題に戻ります。(笑)
国土交通省は所有者に連絡しても返答がない場合、市区町村が特定の手順を踏めば
所有者が確認したとみなす制度を設けるとしています。
まだ決定ではありませんが、具体的には、、
"立ち会いの協力を求める通知を3回程度出し、少なくとも1回は書留などの方法を
とることを想定する。
測量図など客観的な資料に基づいて作成した境界案の送付から20日間過ぎても意見が
なければ、確認があったとみなす"
といった内容で検討するそうです。
しかし、所有者から立ち会いへの拒否や境界案に同意しないという意思表示があれば
新制度の対象とはせず、基本的に境界を定めないまま調査を終えるそうですが、
これでいいのでしょうか?