マンション建て替え要件が緩和へ?
区分所有法が改正へ
老朽化マンションの問題とは?
先日のニュースで老朽化した分譲マンションを巡り、法制審議会の部会が、
年度内にとりまとめる区分所有法の改正に向けた要綱案の概要がわかったそうです。
それによりますと、、、
現在 改正案
マンションの取り壊し 全員の同意 5分の4以上の同意
マンションの建て替え 5分の4以上 4分の3以上
(耐震性や耐火性に問題があれば)
というようにいずれも現在より緩和される方向へ向かっているようです。
国土交通省によると、築40年以上の新耐震基準の分譲マンションでも、令和12年
には約129万戸、令和23年には約301万戸に急増すると予想しています。
それに比べてマンション建て替えの実績は、累計で263件、約21,900戸に
過ぎません。(令和3年4月時点)
このように老朽化するマンションが急増する中で建て替えがほとんど進んでいないのが
現実のようです。
これには、マンションの老朽化と共に、入居者の高齢化も進んでいることが、
問題だという人がいます。
昭和30年代から昭和40年代へかけての団地ブーム
1963年~1964年 第1次マンションブーム(東京オリンピックの頃)
1968年~1969年 第2次マンションブーム(大衆化路線へ)
1972年~1973年 第3次マンションブーム(日本列島改造論の頃)
1977年~1979年 第4次マンションブーム(郊外のマンション人気)
1986年~1989年 第5次マンションブーム(バブル経済下)
第1次マンションブームの頃で約60年前、第3次マンションブームの頃で約50年前、
バブルの頃の第5次マンションブームからでも、すでに40年近く経っています。
バブルの頃に30代でマンションを購入した人でも、すでに定年退職されている方が
多いと思われます。
その方たちにマンション建て替えに伴う負担金を求めても現実的にむずかしいでしょう。
今回の緩和策くらいで、これから増えていく老朽化マンションの建て替えに
対応できるとは私にはちょっと思えません。
20年後にスラム化したマンションがあちらこちらにないことを祈るばかりです。