新築より中古の方が高い?
なぜ新築マンションより中古マンションが高くなったのか?
異常な中古マンション市場
先月6月19日付け不動産ブログで「中古住宅価格が上昇中」という記事を
書きました。これです↓
https://mikata-f.com/contents/7016
今回は、それに関連してなぜ中古住宅、特に中古マンション価格が上昇しているのかと
いう理由を調べてみたいと思います。
東京カンテイ発表の東京都心6区(千代田、中央、港、新宿、文京、渋谷)の
中古マンション価格は5月が70平方m当たり1億256万円と、02年の集計開始後の最高値を
更新し続けています。
上のブログ記事の中でも書きましたが、中古マンションの「リセールバリュー」
(築後10年程度たった中古マンションの平均希望売り出し価格を新築時と比べて算出
したもの)を見ますと、 2022年の首都圏の平均は132.5%で前年から12.7ポイント
上昇しており、新築時の1.3倍の価格で売りに出されていると言うのです。
18年時点では91.4%と新築時を下回っていたものが、20年に100%を超えて逆転し、
なお上昇しています。
六本木一丁目駅では、リセールバリューは251.6%となっており新御茶ノ水駅が208.1%、
代々木上原駅が192.0%で続いています。
調査対象の398駅のうち、全体の98%に当たる389駅で新築時の価格を上回るという
「逆転現象」が起きています。
理由として挙げらえるのは、主にアジアの富裕層などの海外不動産投資家の影響が
大きいようです。
もともと香港やシンガポールなどアジアの主要都市部と比べ、日本の不動産は
安いと言われていました。
そこへ円安によってさらに割安感が増しました。
また、中国に投資していた人が中国不動産市場の不安定さを嫌い、安定している日本市場
へシフトして来ていることもあります。
また、新築よりも中古が好まれるのは、過去の取引の動向や実績といった投資の
判断材料を追いやすいことやテナントビルや物流施設などに比べても売り物が多いと
いうことも人気がある理由だそうです。
しかし、そのような過熱な動きも少しずつ落ち着いてきているようです。
以前ほど広く中古マンションが買われることはなくなり、立地条件やグレードなどが
劣る物件は売れなくなってきています。
このような差別化の動きが出始めるということは終息も近いかも知れません。
バブルを経験している身としましては、明らかに異常といえる状況は決して
長く続くことはないということを学んでいますから、、。