重要事項説明のテレビ電話活用を考える
重要事項説明とは?
テレビ電話による重要事項説明について
重要事項説明とは?
重要事項説明とは、文字通り不動産取引において取引当事者に対して
契約上、重要な事項を説明することを言います。
宅地建物取引士の資格を持った者が、宅地建物取引業者が自ら売主として
取引をする場合、及び不動産取引を代理、媒介する場合に説明をしなければ
なりません。
この説明は、売買契約や賃貸借契約を締結する前に行わなければいけません。
また、説明する重要事項をすべて書面に記載し、取引当事者にその書面
(重要事項説明書)を交付する必要があります。
説明をする内容は、大きく分けて
1.対象不動産の権利関係
2.対象不動産に係る法令上の制限
3.対象不動産の状態やその見込み
4.契約の条件
といった内容についての説明をします。
これは、本来、取引当事者に不利益が発生することを防ぐために行われます。
契約の前に説明をしなければいけませんが、中には、契約の前なら良いと
いう事で、契約の直前に重要事項説明を行い、そのまま売買契約になだれ込むと
いうような乱暴な不動産業者さんもいます。
当社では、少なくとも1週間くらい前に重要事項説明を行って、購入物件に
対しての疑問点、不明点を解消してもらい、その際に契約書のひな形も
提示して契約内容や契約条件についても一緒にご説明し、また、
お客様から契約条件などについて要望があるならば、それを売主さんと調整したり
盛り込んだりして最終的な契約書を仕上げるということもしています。
テレビ電話で重要事項説明?!
国土交通省は、業者や個人による不動産売買の契約前に必要な「重要事項説明」を
パソコンやスマートフォンのテレビ電話機能を使って実施する実験を
今年の10月から始めるということです。
賃貸契約では、すでに2017年10月から、このIT重説は運用されています。
1年間の実験期間でニーズや通信環境の課題を調べ、売買契約でも本格運用するか
どうか判断をするそうです。
流れとしては、
重要事項説明書類を事前に契約者に郵送する
↓
IT重説に対する同意書に契約者が同意する
↓
テレビ電話など、動画通信システムをつなぐ
↓
IT重説に関する注意点・確認事項を改めて説明する
↓
身分証明書を画面越しにお互いに提示する
↓
対面で行う場合と同様に重要事項説明をする
↓
契約者が重要事項説明書に署名・押印して返送する
このIT重説のメリットとして言われているのは、
・来店不要で遠隔取引が簡単にできる
・音声記録化ができるため「言った言わない」というトラブルを回避できる
・事前に重要事項説明書を送付することで、内容への理解が深まる
昭和生まれの私としては、正直言って賃貸契約はまだしも、売買契約は
高額になる取引ですし、どんなに遠方だろうと出向いて行き、お客様と対面して
お客様の顔を見ながら、じっくりと物件について説明させて頂きたいと思っていますが、
これも時代の流れでしょうか?
上に書いたように、確かに記録化などメリットも大いにあり、自己防衛の意味でも
理解はできます。
しかし、しかしですよ! やっぱり、お客様とのおつきあいが、テレビ画面越しでは
寂しいですよ!(古いのかなぁ~)