借地権の売買について
借地権を売却する方法について
借地権は売却できる!?
前回のブログで、借地権についての基礎的なことを書かせて頂きましたが、
それを読んで頂いたお客様から、借地権って売却できるの?というご相談を
受けましたので、今回は旧借地権の売却について簡単にご紹介したいと思います。
代々に渡って地主さんから土地を借り、その土地上に自分の住宅を建てて(または相続
をして)毎年地代を払っているという方が一般的です。
もう住む人がいなくなったとか何らかの理由で借地契約を解消したい
と思った時に、借地権が売却できるという事を知らないで、自らの費用で建物を解体し
更地にして地主さんにお返しされる方がいらっしゃいます。
そこに地主さんとの関係など、やむを得ない理由などがあれば仕方ないと思うのですが、
借地権が資産だということを知らないで、ただお返ししてしまうのは、ちょっと
もったいないなと思ってしまいます。
旧借地権を売却する方法が、いくつか考えられます。
(1)借地権を第三者に売却する
東京などの大都市ですと借地権割合が80%とか90%とかしているところが
あります。
ここで、借地権割合というものをご説明しておくと、路線価をみると
上の方に借地権割合がAからGまで、90%から30%まで載っています。
路線価の横にDとかEと書いてあるのが、借地権割合です。
これは、相続税の評価に使うものでその路線に借地をもっていれば
50%または60%で評価額を算出します。
浜松市の場合、駅前のバスロータリーの周辺だけがDの60%で
それ以外は、全てEの借地権割合が50%です。
つまり、所有権で1000万円なら借地権は500万円ということになります。
しかし先程も言いましたように、相続税の評価を求めるのは50%でいいの
ですが、実務では借地権を売買する価格は、必ずしも50%ではありません。
お互いの話し合いで売買金額は決まります。
あくまで借地権割合は、交渉の目安ということになります。
話が横道に逸れましたが、借地権を第三者に売却するという方法は、
確かにあるのですが、それは借地権割合が大きい大都会では成り立つと
いう言い方が正確かも知れません。
借地権割合が50%の浜松では、借地権を買ってまでそこに住みたいと
いうような方はあまりいないように思います。
(2)借地権を土地所有者(地主)に売却する
借地権を売却する時には、地主さんの承諾を得る必要があります。
その際に、地主さんは優先的に借地権を買い戻せる権利があるのです。
地主さんが購入しない場合には、第三者に売却することを認めないと
いけなくなるのですが、第三者に売却しようとしなくても、直接地主さんに
借地権の購入を持ち掛けることができます。
相続の時に、相続したくない不動産として一番なのは、借地ですから
地主さんとしても借地権を購入しても借地を解消したいと思っている人は
少なくありません。
その他の借地権の売却方法は?
(3)第三者に借地権と底地権(土地所有者の権利)を同時に売却する
地主さんの持っている底地を、借地権に対して底地権という言い方をします。
借地権と底地権がいっしょになると所有権になります。
借地人は、自分の借地権を売り、地主さんは底地権を第三者にそれぞれ
売却することになりますが、これは、地主さんと協力して売却する必要が
ありますし、借地権割合を事前に決めておく必要があります。
(4)等価交換して、所有権になったものを売却する
これは、比較的広い借地に適用することができる方法ですが、借地権者の
権利と地主の権利(底地)を一部交換し、借りている土地を分割して
借地権者と地主がお互いに土地を所有権として分け合う方法です。
売却する土地は、狭くなりますが所有権となりますので、価値はそんなに
変わらないことになります。
この方法は、事前に地主と分割する面積や測量費用や建物解体費用などの
打ち合わせや交渉が必要になります。
その他にも、借地権の買い取り業者に売却するという方法がありますが、
私自身、この方法で売却したことがありませんので、よくわかりません。
借地権や底地権の買い取り業者がいることは知っていますが、具体的に
どのような条件提示をしてくるのかがわかりません。
常識的に考えれば、商売として借地権や底地権を買い取る訳ですので、
それなりに安い価格ではないと合わないのではないでしょうか?
地主さんとの交渉は、たとえ地主さんと人間関係が上手くいっていたとしても
借地権と底地権の割合を決めたり、売却方法の検討など専門的な知識が
多く求められますので、不動産業者を中にいれて話をした方が、良いと
思います。
地主さんに借地権の買戻しを打診する時にも、たとえ交渉が不調に終わったとしても
今後も地主さんとの関係は続くわけですので、禍根を残さない交渉をするためにも
不動産業者を入れて交渉にあたってもらう方が良いと思います。