相続税評価 路線価か実勢価格か? その3
最高裁の判決は?
今後の相続対策に影響?
前回、前々回と不動産ブログで記事にして来ましたこの判決が19日に出ました。
ご存知の方も多いと思いますが、ここまで書いてきた責任上、結果を載せないのも
いかがなものかと思いまして、、。
訴訟の経緯は、前回と前々回のブログをお読みください。
さて、結果は、最高裁第三小法廷(長嶺安政裁判長)は路線価による評価について
「看過し難い不均衡を生じさせ、税負担の公平に反する」として、処分は適法と判断。
取り消しを求めた原告側の上告を退け、国税側の勝訴が確定しました。
裁判官5人全員一致の意見とのことです。
つまり最高裁は、「行きすぎた節税策で、ほかの納税者と著しく不公平になる」と
考えたわけですね。
新聞に書かれています「伝家の宝刀」というのは、税務署が「著しく不適当」と考えた
場合、独自に評価をやり直せるという例外規定のことです。
もう少し経てば識者の意見が出てくると思いますが、現在の新聞報道では
この「伝家の宝刀」を抜く基準が示されなかったようです。
つまり、「著しく不適当」とは、どの程度のことを指すのかが示されないと
今後の相続対策も、おっかなびっくりやるしかないということになってしまいます。
もっとも、この「伝家の宝刀」が抜かれたケースは、年間1万件前後ある相続税の
実地検査のうち過去10年間で10件程度と言います。
それもこのケースのように相続額が相当な高額になった場合に限られるようですので、
かなりの富裕層の人でない限り、心配することはないかも知れません。
「国税のさじ加減で使われている」
「不動産などの価格が急激に下がると、通達に基づく評価額の方が高くなる。本来は
そうした場合に納税者に不利益が出ないようにするための例外規定(伝家の宝刀)
であるはず」
と言った声が出るのもわかりますね?