なぜGALA湯沢は、V字回復したのか?
スキーブームが去っても、GALA湯沢が、現在活況に沸いているという
なぜGALA湯沢は復活できたのか?
前回と前々回に越後湯沢のリゾートマンションの惨状を取り上げました。
しかし、リゾートマンション群から直線距離で約2㎞にあるGALA湯沢スキー場は
現在、活況を呈しているといいます。
越後湯沢の惨状ばかりをお伝えして、こちらをお伝えしないと何か片手落ちのような
感じを覚えますので、今回は補足ということで書かせて頂きます。
ガーラ湯沢がオープンしたのは、平成2年12月です。
JR東日本が手掛けた初めてのリゾート開発でした。駅の改札口を出ると
スキー場のチケットカウンターが目の前。
そこでリフト券を買って更衣室で着替えて、すぐに山頂行きのゴンドラに乗れます。
湯沢町の平成4年度のスキー客 約820万人
これが、平成22年度にはスキー客 約210万人と激減します。
ここまでは、日本のその他のスキー場と変わらないのですが、その後が
違います。
それが、ガーラ湯沢の入場者数に表れています。
平成4年度37万6000人 → 平成19年度16万7000人まで落ち込み
平成29年度 34万8000人へと、まさにV字回復です。
この回復の理由としてあげられているのは
1.団塊世代が定年退職して、再びスキーを楽しむようになった。
2.スノーボードを1990年代の流行時に始めた世代が結婚して
家族で来訪している。
しかし、これは全国のスキー場にも言えることです。
ガーラ湯沢の特徴は、「交通アクセスの良さ」が一番だと思われます。
それに加えてJR東日本が行っている様々なサービス。
ネット予約で東京往復新幹線チケットとリフト券のセットを
格安で売り出したり、スキー用品のレンタルがスムーズになる仕組みが
あったりと、工夫を凝らしています。
更に最大のV字復活の理由は、外国人客の取り込みに成功したことと言えます。
東京から「75分で行ける」という時間的な近さを強調したアピールによって
日本人なら新潟県かぁと思うところですが、外国人観光客は、
「1時間ちょっとで行けるなら、行こうか?」となるらしいです。
東京のちょっと先にあるくらいの感覚で、日帰りスキーを楽しむというより
「雪を見たい」というタイや台湾、オーストラリアの人たちが多いそうです。
外国人向けにかまくら体験や雪だるまづくり、雪見温泉などのプラン。
中国語やタイ語などでのスキーレッスンなどもあるそうですよ。
こうしてみると、成功の鍵となる「利便性」と「需要」というのは、密接に関係していて
不動産にも通じるものがあります。
特に収益物件などの不動産賃貸物件では、やはり第一に「利便性」(立地)と
「需要が見込まれる魅力ある物件」を購入しておくことが大切になります。
需要が見込まれる魅力ある物件というのは、そのエリアにあった「需要が見込まれる
ような間取り」「快適に住める設備やセキュリティーが整っている」かどうか。
長期間の家賃収入を得ることを考えているならば「利回り」は、二の次でしょう。
東京など大都市は、利回りは低いですが、需要がなくなることはありません。
地方より東京の物件を好まれる投資家は、この点を重要視しています。
お金をかけ、設備やセキュリティーも整ったすばらしいマンションでも、人が
住まないような不便な場所にあったら、やはり需要はないからです。
逆に少々古くなっても駅前とか公共施設、学校が近い、買い物に便利など
利便性の良さの方が、設備を補ってくれるでしょう。
ちょっと収益物件とは違いますが、分譲マンションの購入にあたって昔から言われ
ている購入を決める条件は、「立地」と「管理の良さ」(状態良く長期間に渡って
建物を維持してくれる)を買えと言われていることと似ているかも知れません。