他人事ではない?リゾートマンションの惨状 その2
越後湯沢のリゾートマンション 5年かかって処理完了!
リゾートマンションの解体 敷地売却
前回の不動産ブログで越後湯沢のリゾートマンションの惨状について
書かせて頂きましたが、今回はその続きです。
住む人もなく、管理費や修繕積立金も滞納され管理組合も機能していない
スラムと化したリゾートマンションはどうなるのでしょうか?
老朽化したマンションをどう処理したのかという実例をご紹介します。
朝日新聞によりますと、今年6月に1棟のマンションがとうとう始末をつけました。
「建物の解体・敷地売却」から「区分所有権の解消」に至ったといいます。
1975年竣工(築年数44年)6階建て 30戸という「マンション苗場」
所有者の一人である柏崎市の建設会社社長が2014年に廃墟になるのを
避けようと動き出しました。
投資目的で購入した所有者は、日本全国に散らばっていました。
管理組合も機能不全、管理費、修繕積立金の滞納が広がり、建物は朽ちて
廃墟同然でした。
まず全国に散らばる所有者(28の個人・法人)を登記簿で調べて、
意向調査のアンケートを送りました。
回答を寄せた21人のうち、マンションを維持したいと答えた人はゼロでした。
その結果を受け翌年に臨時総会を開き、管理組合を復活させて、マンションを
解体して更地にし、敷地を売却して区分所有権を解消するという方向性が
示されました。
現行法では、「区分所有権の解消」は、全員合意が原則です。
特例として新耐震基準を充たさない耐震性不足のマンションは危険除去の
観点から住民の「5分の4」の賛成で、解体・敷地売却が可能となります。
所在のわからなかった3人と1法人の行方をなんとか突き止め解体の同意を
取り付けました。
更に幸いしたのが、一部の所有者が払い続けていた修繕積立金が
約3500万円貯まっていたことです。
これを解体費用に充てることが出来たのです。
最終的に近隣のペンション経営者が、500万円で敷地を購入し、所有者は
追加負担なしで処分できました。
ここまでで5年がかりでした。
今後は、このリゾートマンションに限らず、老朽化したマンションが
全国に現出してきます。すでに、問題になっているマンションも数多くあります。
建替えに「5分の4以上」の賛成、解体・区分所有権の解消は「原則全員同意」です。
これをクリアするのは、並大抵のことではありません。
人口減少が進む中、今後このようなスラム化するマンションの最終処理について
多くの問題が山積しています。