富士山頂は、誰のもの?
富士山頂は、国有地?それとも私有地?
富士山の頂上は、山梨県?それとも静岡県?
富士山は、徳川家康のものだった?
標高3776メートル(正確には、3775.63m)の日本一高い山、そして世界遺産である
富士山。
調べてみますと、そもそもの持ち主はあの徳川家康で、1606年に家康から大社に
寄進されたと伝えられています。
ところが、明治維新後の1871年に国有地化。
(明治政府は、全国の浅間大社の総本宮、富士山本宮浅間大社(静岡県富士宮市)が
境内として管理していた山頂を太政官布告などによって国有地に編入。)
太平洋戦争後、全国で国有化された土地が寺社へと返還されたが、富士山頂だけは
一部を除いて返還されなかったそうです。
これに対して神社側が提訴。以来、行政訴訟は最高裁まで争われ、1974年の
最高裁判所の判決によって、あらためて浅間神社のものと認められましたたが、
それでもなかなか返還されず、2004年12月になってようやく財務省東海財務局が、
神社の所有権を認めた30年前の最高裁判決に基づき、土地を無償譲与する通知書を
神社に交付しました。
譲与されたのは、富士山8合目以上の土地404万5800平方メートルのうち、
富士山特別地域気象観測所(旧富士山測候所)や登山道、山梨県道富士上吉田線などを
除く約385万平方メートルということです。
長々と書いてきましたが、このような経過を経て、結論としては富士山8合目より上、
富士山頂は、「富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)が
所有する私有地ということになります。
つまり富士山の8合目以上は、境内(神社の敷地)なのです。
もう一つ、富士山の7合目から下の部分については県境がありますが、山頂については
地図上でも県境は消えています。
富士山本宮浅間大社の敷地(境内)であり、山梨県でも静岡県でもありません。
実は、富士山頂の県境問題は江戸時代から400年以上も続いているのだそうです。
2013年に富士山が世界文化遺産に登録されたのをきっかけに、山梨県の横内正明知事と
静岡県の川勝平太知事は14年1月、県境を定めず富士山の保全に協力していこうと
明言しました。
ということで、現在でも、富士山の山頂付近については『境界未定地』ということに
なっています。
このように、県境が定められていない「境界未定地」は、今も富士山頂を含めて日本に
14か所もあるそうですよ。