収益物件を売りたい時に考えること NO2
収益物件を売却するにあたって準備するものとは?
ネット査定について
事前に準備しておく書類について
前回に続いて収益物件を売りたい時に考えることのつづきです。
売却を考える時には、いくらで売却できるのかを信頼できる不動産業者に
相談して価格査定をしてもらうことになると思いますが、その時に
用意しておく書類について挙げてみたいと思います。
・建築確認書類一式
・建物図面一式
・賃貸借契約書一式
・最近のリフォーム記録(外壁塗装工事をした時の見積書、請求書や領収書など)
・メンテナンス書類(受水槽の清掃記録やエレベーターのメンテナンス記録など)
・管理会社との管理委託契約書
・建物簿価(減価償却残)がわかるもの(決算書の写しなど)
・購入した時の土地・建物売買契約書
・測量図(もしあれば)
・維持管理費がわかるもの(共用部分の電気代や水道料など)
・その他として 自治会費や賃料滞納者の有無・雨漏り、シロアリ、水漏れ等の
瑕疵の有無や修繕工事記録・固定資産税の納税通知書など
全てが揃っていればベストですが、なるべく多く書類があるほうが、売るときに
有利に働くことが多くなります。
私も、まず売却のご相談を受けた時には、オーナーの方からヒヤリングを
しながら、まず問題点を洗い出して、その後に、これらの書類を精査して
査定を作成するようにしています。
ネット査定は、信頼できるのでしょうか?
自分の所有している収益物件の価格を知りたい場合、信頼できる不動産仲介会社を
知らない方は、インターネットで3~4社に査定依頼をかけたりします。
簡単に一括査定が出来て非常に便利だとは思いますが、果たしてそうでしょうか?
私も経験がありますが、ネットで来た査定依頼に、まじめに調査して誠実に
査定をして答えてあげても媒介契約まで進んだことがありません。
しばらくして私が査定した物件が、収益物件の販売サイトに、びっくりするような
金額で出ていました。
「いくらなんでも、その金額は高すぎるのでは?」
「本当にそんな金額で買う人がいるのかな?」というような価格でした。
案の定、半年経っても、1年近く経ってもずっと売れ残っています。
不動産査定(売却依頼)は、中古車の買い取り査定と同じではありません。
数社に声を掛けて、一番高い金額で「買います!」と言った業者に車を売るのとは
訳が違うのです。
他県の業者に、浜松の5年後、10年後の人口動態まで考え、それに合う間取りか
どうかの判断をしたり、人気の学区やエリア、これから需要が増えそうな場所か
それとも需要が減っていきそうな場所なのかを考えた上で、将来予想賃料は
どれくらいに設定するべきなのか?等々、、。
こういったことまで調べて査定する不動産業者が、どれくらいいるでしょうか?
中には、わざと高い査定金額をお客様に提示して、とにかくお客様を取り込んで
しまおうとする残念な業者さんが、いることも事実です。
逆に売りやすくしようと、わざと安い金額を提示する業者さんも、いらっしゃいます。
売る側としては、高い金額で売れるに越したことはありません。
ただ高い金額を出してきたという理由だけで、その業者に売却依頼をするというのは
どうなのでしょうか?
私は、現在の市場に合った正しい論理やデータに裏打ちされた根拠が、必要だと
思うのです。
お客様の属性から融資までを考慮した適正な金額でなければ、せっかく売りに出しても
買い客は付きませんし、融資審査が通らなければ意味がありません。
実際に買い手がつかなければ、「絵に描いた餅」になってしまいます。
特に今後は、前のブログでも書いたように、融資審査が厳しくなって来ていますので
収益物件を購入できる人が減ってきます。
「売り手市場」から「買い手市場」へ完全にシフトしているのが現状です。
その中で実際に購入できる「買いのお客様」を、付けることが出来る、実力のある
不動産仲介業者が求められてくると思います。
私も過去に何十棟という収益物件の売買仲介をやらせて頂きました。
おかげ様で売れ残ったという物件は、今まで一つもありません。
その理由は、購入希望のお客様のネットワークを持っていることもそうですが、
なによりお客様に、一つ一つ物件のプラス面やマイナス面もすべて
正直に丁寧に説明して、金額にもご納得して頂くことが出来たからだと思っています。
つまり、地元の浜松周辺の物件しか扱わないから、こういう説明が出来るとも言えます。
次回は、この査定金額の出し方や経費などについて考えてみたいと思います。