遺留分侵害額請求と遺留分減殺請求 その1
遺留分とは?
遺留分は、いくらもらえる?
かなり前に遺留分減殺請求というのを当ブログで取り上げましたが、遺留分侵害額請求は
まだやってませんでしたので、遺留分減殺請求の復習も兼ねてやってみます。
まず遺留分というのは、法定相続人(兄弟姉妹以外)に最低限保証された遺産取得分
のことです。
法定相続分というのと間違えそうですが、法定相続分というのは、各相続人の取り分と
して法律上定められた割合のことです。
但し、これで分けなければいけないというものではなく、相続人同士の話し合いで
割合を決めても問題ありません。
相続人同士の話し合いを遺産分割協議と言いますが、話し合いで納得できなければ
遺産分割協議書に印を押さなければいいだけですので、騙されでもしない限り
遺留分という問題は出て来ません。
遺留分が出てくるケースの多くは遺言書が残されている場合です。
例えば、子供が3人いるのに、「全財産を長男に相続させる」なんていう遺言書が
あった場合、故人の遺志は尊重されますが、いくら遺言書に書いてあったとしても
ほかの2人の子供たちには、何もなしということはありません。
この2人のための最低限保証された遺産の取得分が遺留分となる訳です。
では、その最低限保証された取得分とはどれくらいでしょうか?
遺留分の割合は「法定相続分の半分」が取得分となります。
(直系尊属者のみが相続人の場合は法定相続分の3分の1)
例えば、相続人が、故人の配偶者と子ども2人の場合、配偶者の法定相続分は
「2分の1」ですので、遺留分は「4分の1」となります。
子どもの法定相続分も「2分の1」ですが、2人で割りますので一人あたりは「4分の1」
となります。
遺留分はさらにその半分ですので、子ども一人あたりの遺留分は「8分の1」となる
訳です。
ここで一つ注意したいのは、相続人であっても遺留分が認められる相続人と
遺留分が認められない相続人がいることです。
遺留分が認めれる相続人は、配偶者、子供、孫などの直系卑属、親、祖父母などの
直系尊属のみです。
兄弟姉妹や甥姪は相続人であっても遺留分が認められません。
例えば子供がいない夫婦で、夫の両親がすでに亡くなっている場合ですが、
夫が亡くなると相続人は妻と夫の兄弟姉妹となります。
先程とは逆の例で、夫が「妻に全財産を妻に相続させる」という遺言書を残してさえ
置けば遺留分が認められていない夫の兄弟姉妹は、遺留分の請求ができず夫の
遺言通り争うこともなく全財産を妻に相続させることができるのです。
長くなりましたので続きは次回の不動産ブログでやります。