契約を簡単に考えないで
ある取引の例
こんな営業マンは失格
ちょっと前に実際にあった取引のお話です。
建築条件が付いていない土地の売買契約がありました。
私の立場は、売主側の仲介業者です。
ある大手チェーンの不動産業者さんから買受申込書を頂きました。
多少の指値の交渉がありましたが、なんとか売主、買主双方が合意し、契約に
向けて動き出します。
そこで契約をするにあたって、私の方から買主側仲介業者に買主さんの属性について
質問します。
勤務先とか年収、事前融資審査の有無などです。
それに寄りますと、このお話は元々あるハウスメーカーから持ち込まれた案件で
あることがわかりました。
建築条件が付いていない土地の場合、住宅を建てる建設会社は決まっていても
それに合う土地がない場合、そのハウスメーカーの営業マンが土地をお客様に
変わって探してあげるというのはよくあることです。
そして、そのハウスメーカーの担当者が言うには、「すでに融資の事前審査は通っている
から大丈夫」だと言われているとのことでした。
そこで私も書面で融資承諾書なり融資証明書なりを求めれば良かったのですが、
売主さんもこの仲介業者とは何度も取引をしているということもあり、その言葉を
信用して話を進めてしまったのが間違いでした。
契約後にわかったのは、融資申し込みの話は、そのハウスメーカーの担当者の
嘘で、買主の属性もかなりの部分が嘘でした。
後日その担当者は買主に、「もし融資が通らなくてもローン特約で白紙解約が出来るから
契約しても大丈夫!」だと説明していたことがわかりました。
目先の売上(成績)のためにこのような嘘をついたのかわかりませんが、
あなたのその安易な考えがみんなにどれだけ迷惑を掛けるのかよく考えていただき
たいと思います。
私を含めて関わった仲介業者の責任もゼロではないでしょう。
調査を含めて重要事項説明書、契約書を作るために要した時間と費用は、相当ですよ。
買主側仲介業者も、面目丸つぶれです。
そして何よりこんな狭い地域でこのようなことを1度でもやったら、その担当者と
そのような社員を雇用している会社も同様に信用を失いますからね。
当たり前ですが、「信用」はお金に代えがたいものです。
いくらテレビCMにお金を掛けていても信用を失うのは一瞬で終わりですから、、。