変わる生前贈与 その3
3年から7年に延長される暦年贈与
2031年以降から7年加算?
前回の不動産ブログの続きです。
被相続人が亡くなる3年以内の生前贈与はなかったものとみなされ相続財産に
加算され、相続税の課税対象となるというお話をしました。
そして、これが来年から3年ではなく7年に延長されることが決まっています。
しかし、いきなり過去の贈与にまで遡って7年になるわけではありません。
2024年以後の贈与となりますので2026年に相続が発生した場合には3年以内の贈与が
持ち戻しとなります。
2027年の相続では4年以内、2028年の相続では5年以内となり、2031年で持ち戻し期間が
7年以内となります。
ただし、4年以上前のものは、その期間の生前贈与の額から100万円を控除した額が
持ち戻しの対象となります。
たとえば、年間100万円の生前贈与を続けていた場合、3年以内の300万円はそのまま
持ち戻しの対象となりますが、4年前から7年以内の400万円は100万円を控除した
300万円が持ち戻しの対象となるのです。
仮に2024年5月1日に亡くなった場合、生前贈与加算の対象となる贈与は、
2021年5月1日~2024年4月30日の3年間の贈与です。
2017年5月1日~2021年4月30日の贈与は税制改正前の贈与ですので、
対象になりません。
2027年以降から、加算される年数が3年より長くなります。
たとえば、2027年5月1日に亡くなった場合、2024年1月1日~2027年5月1日の
3年4ヶ月分の贈与が対象です。
年が進むにつれて徐々に加算される年月が長くなり、2031年1月以降の相続から、
7年加算されるようになります。
どうも説明が分かりにくいかもしれませんが、もしわかりにくいようでしたら
いろいろ図解で解説してくれているサイトもありますので、暦年贈与 3年から7年
とかのワードで検索してみてください。
国がこのような改正をした意図のひとつには、「相続時精算課税制度」をもっと
利用してもらいたいということがあると思います。
それは暦年贈与を7年に延長する代わりに、相続時精算課税制度の方で110万円の
基礎控除ができるように改正されたからです。
相続時精算課税制度について続けてやってしまうと、また更に長くなってしまいますので
これについては、また別の機会にやりたいと思います。