変わる生前贈与 その2
3年以内の生前贈与加算について
なぜ3年以内の生前贈与は無効なのか?
前回の不動産ブログの続きです。
年間110万円までは、贈与税はかからないというお話を致しましたが、そこに何の
制約もないわけではありません。
1月1日から12月31日までの1年間でもらった財産の額が贈与税の基礎控除額である
110万円以下の場合、贈与税は課税されません。
(110万円を超える場合は、その超えた部分に対して贈与税がかかります。)
ただし、贈与を受けた日から3年以内に贈与者が亡くなってしまった場合には、
その生前贈与はなかったものとみなされてしまうのです。
そして、それは相続財産に加算され、相続税の課税対象となります。
これを「生前贈与加算」といいます。
なぜこのような制約があるかと言いますと、亡くなる直前で“相続税逃れ”のためだけに
行われる、駆け込みの贈与を防止するためです。
つまり相続で財産をもらう人への生前贈与は3年経たないと節税効果は出ないのです。
付け加えますと、この3年以内の贈与加算は基本的に相続人にだけ適用されるもの
ですので、第3者やお孫さんへの贈与などは含まれません。
「そうかぁ、最低でも3年以上前から暦年贈与の相続対策をしないといけないのか?」
と思った方、、来年からさらに大変なことになるのです。
2023年度の税制改正大綱で相続に関連する課税ルールの大きな見直しがあり、
生前贈与加算の対象を死亡日前3年間から7年間に延長することが決まったのです。
これは来年2024年1月1日から適用されます。
これによって暦年贈与制度は、実質なくなったのと同じという人もいます。
例えば日本人男性の平均寿命は、約80歳です。80歳で亡くなると仮定すると
この制度を使って500万円を節税をしようと思ったら、67歳くらいから
始めないといけません。
しかも、平均寿命以上長生きできればいいのですが、そんな先のことは誰も
わかりませんよね?
では、次回は新しくなる制度について触れたいと思います。