「定礎」の意味って、知ってますか?
定礎には、どんな意味があるのでしょうか?
定礎箱の中に入っているものは?
定礎箱は、タイムカプセル?
ビルやマンションなどの正面玄関付近などで「定礎」(ていそ)と書かれたプレートが
埋め込まれているのを見たことがありませんか?
この「定礎」というプレートはいったい何のためにあるのでしょうか?
定礎とは、ヨーロッパではじまった石造建築における、建物の基準となる
礎(いしずえ)の位置を定め、建築を正確に行う儀式「定礎式」に由来して
います。
石造りやレンガ造りの西洋式の建物が日本に伝わってきた明治時代から始まった
ものが多いそうです。
最古のものは金沢城の跡地で発見された1763年のものがあります。
本来定礎式は、建築初期の段階で行われるものだそうですが、昨今のビル建築においては
基礎工事が終わり、外装工事に入る前にこれまでの工事の安寧に感謝し
今後の工事の安全を祈願する中締めとしておこなわれているか、もしくは
工事終了時に設置されるのが通例です。
定礎の位置は、基本的に東南の角とされていますが、今は方角に関係なく
正面玄関近くに設置するのが一般的になっています。
そして、この定礎石の中には、「定礎箱」という銅やステンレスでつくられた
箱が埋められており、この箱の中には
・氏神様へのお札
・建築図面
・建築主や関係者の名前が書かれた名簿
・定礎式が行われた日の新聞
・流通している硬貨一式
・その他話題になっているもの(建築主と相談して決める)
など後から開けて当時を偲べるものを入れてあります。
まるでタイムカプセルみたいですね?
ただ、建物の建て替え時など解体されたりする時以外は、開ける時期が
決められていないということが、タイムカプセルとちょっと違います。
ふと思いましたが、これって、大きなビルやマンションだけでなく、一般の住宅でも
やってもいいんじゃないでしょうか?
「定礎」は法律で義務付けられているものではありませんので、本来の
意味合いから言えば、自分の家を建てたときに、この「定礎箱」を
家のどこかに埋めておいても構いません。
自分が死んだあと、いつの日か孫やひ孫が建替えた時に、当時の新聞や硬貨や
この家を建てた時のあなたの気持ちや子孫への想いを書いたものなどが、
定礎箱から出てきたら、びっくりするのではないでしょうか?
未来の自分の子孫が、どんな顔をして、どんな気持ちでそれを読むのかを想像したら
ワクワクしませんか?