地中埋設物が出てきたらどうする?
地中埋設物が発見された場合の対処方法について
売主の責任が認められない場合も?
前回の不動産ブログで地中埋設物とはどんなものかというような記事を書きました。
今回は、実際に地中埋設物が発見された場合の対処方法について見ていきます。
普通は解体業者が解体工事中に地中埋設物を見つけるケースがほとんどです。
通常は、解体業者から仲介の不動産業者へ連絡が入ります。
解体工事を売主または買主のどちらの費用負担で行っているのかもありますが、
まずは工事をストップしてもらい、売主及び売主側仲介不動産会社に現場を
確認してもらいます。
そこで契約内容を再確認して、どちらの費用負担で撤去するのかが決まります。
コンクリートのガラなどであれば、最終的にどれくらいの量になったのかを
解体工事業者に証拠写真を撮ってもらうようにします。
通常は、お互いに同意した契約書に基づいて坦々と処理をして解決となります。
しかし、地中埋設物が出てきても瑕疵に当たらないとされる判例もあります。
例えば、、
・地中にコンクリート製のブロックフェンス基礎部分の存在が発覚した
埋設物があるのは建物と境界の間であった→わずかな幅に過ぎない
住宅用地として,利用が大きく妨げられない→『瑕疵』にあたらないと判断された
ケースもあります。
また、このような裁判例もあります。
東京地判平成15年12月 1日新日本法規
事案の概要
・Aは、Bから土地を1億7510万円で購入したところ、同土地の地中に直径約30cm、
長さ約8mの地下杭が30本も埋設されていることが判明したとして、AはBに対して
瑕疵担保責任に基づき損害賠償を求めた。
判決の概要
・土地の地中に杭を打設するのはその土地上に建築される建物の不等沈下等を防止する
ためであるから、このように有益な杭の打設されていることをもって一般的に土地の
瑕疵があるということができないことは明らかであり、これが瑕疵に当たり得ると
すれば、それは地下室建築にあたって杭が障害となるような場合に限られるなどとして
本件における地下杭は土地の瑕疵とはいえないと判断された。
また、杭が発見されても、マンションなどの大型建築物ではなく一般住宅であれば
途中でカット(切断)するだけで全部を抜き出さなくても良いと判断されたケースも
あります。
このように、購入した土地の地中から地中埋設物が発見された場合であっても必ずしも
売主の瑕疵担保責任を問えるわけではありませんのでご注意ください。