成年後見制度を使うことの注意点は? その2
成年後見制度のデメリットは?
こんなことも出来なくなりますよ
GW期間は、ブログをお休みしていましたが、本日から再開いたします。
月曜日と木曜日は、不動産ブログの日ですので前回の不動産ブログの続きからです。
成年後見制度のデメリットとして、前回は費用が掛かるということをお伝えしましたが
それ以外のデメリットとしては、
相続対策など本人の資産が動かせなくなることです。
これは、この制度のメリットでもある本人の権利や財産を守ることを大前提として
いますので、本人の生活や健康を維持するための出費以外は認められません。
これが具体的にどういうことになるかと言いますと、
・年間110万円までの暦年贈与などの生前贈与が出来なくなります
・孫の入学資金などの教育資金贈与もできません
・本人の土地などを担保にして子供が融資を受けることなどもできません
・不動産投資や株式投資等の資産運用はできません
・生命保険の加入もできません
・本人の預金を子供の生活費などに使うことができません
というように認知症になった本人のために必要だと裁判所が認めた出費以外は
使えなくなるということです。
例えば、介護費用が必要になり本人の不動産を売却してその費用に充てようと
しても裁判所の許可が必要になります。
成年後見制度は、本人が亡くなるまで続く
一度成年後見人が選ばれると、やむを得ない事由(転勤や病気など)がない限りは、
その人はずっと本人の成年後見人です。
「親族を成年後見人として選んでほしかったのに、弁護士や司法書士が選ばれたので、
やっぱり成年後見人選任申立てを止めたい」ということはできません。
そして、後見人は財産目録や収支報告書、出納帳などを作成し、半年に1度くらいの
割合で裁判所に報告する義務も負います。これが亡くなるまでずっと続くのです。
私が最初にこの制度は、「使い勝手が悪い」制度だといったのは、このような理由から
です。
確かに、認知症になった人が不当な契約をしてしまい、それを取り消すことが
できるというような良い面もありますが、問題も多くあります。
安易に成年後見制度を利用しないで、このようなデメリットもあることを
わかった上で利用するようにした方が良いと思います。
また良く言われることですが、相続対策は相続が起こってからの対策は
ほとんどないと言われるのと同じように、認知症になる前、もしくは初期の段階で
対策を取っておくことが大切になってきます。