成年後見制度を使うことの注意点は? その1
成年後見制度のメリットとデメリットは?
簡単に成年後見制度を使うと大変かも?
前回からの続きです。
意思能力がないと判断されると、不動産の売却等ができなくなるというお話を
今までにさせて頂きました。
そういう場合の対処法のひとつに「成年後見制度」というものがあります。
検索すると、いろいろな弁護士さんや司法書士さんのホームページなどで
その詳細が書かれていますので、詳しくお知りになりたい方はご覧ください。
当ブログでは、相続アドバイザーの立場からなるべくわかりやすく、ポイントだけを
書くようにしたいと思います。
まず成年後見制度には、「法定後見制度」と「任意後見制度」とがあります。
任意後見制度というのは、将来的に認知症などになってしまったときに備えて、
あらかじめ後見人となる人を定めておく契約ですので、本人がまだ意思能力が
あるうちに行える制度となります。
今回は、意思能力がなくなった場合に使う「法定後見制度」についてお話します。
成年後見制度とは、認知症などによって判断能力が低下してしまった人に、
その人をサポートする人を家庭裁判所から選任してもらう制度です。
ですので、この制度を使うメリットとしては、
・後見人が本人の預貯金や不動産を動かすことができます。
・本人が行った不当な契約などを取り消すことができます。
・親族による本人の財産の使い込みなどを防ぐことができます。
デメリットはといいますと、
1.費用と手間が掛かります。
裁判所に申し立てをして選任されるまでに3~4カ月以上掛かります。
そして、資産が多い人ほど、親族が後見人に選任されるケースは少なくなります。
後見人・保佐人・補助人とありますが、これらに選ばれる人は弁護士や
司法書士ということになります。
当然、そこには費用が発生します。
申し立て費用に約2万円前後(本人の鑑定が必要な場合は更に5万円~10万円)
そして後見人の報酬(弁護士や司法書士への報酬)は、大まかな目安としては
管理財産が、1000万円以下で毎月2万円前後
5000万円以上では毎月5~6万円、その間の管理財産では3~4万円くらいです。
これが、本人が亡くなるまで基本的にずっと続くことになります。
例えば、年間50万円として10年間なら報酬だけで500万円掛かることになる
訳です。(報酬以外にも本人へ面会する際の交通費などの経費も掛かったりします)
長くなってしまいましたので、この続きも次回へ