テナントビルの空室率が上昇
大都市のビルの空室率上昇の現状
今後、予想されることは?
もう本社ビルは不要になる時代?
最近、電通が本社ビルの売却を検討しているというニュースがありました。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、電通は社員のリモートワークを進めていて
本社ビルに勤務する約9000人の出社率は最近では2割程度にとどまり、
余剰スペースが生じていることから、売却で資産の効率化を図るそうです。
電通は売却後もオフィスを賃借し、本社は移転しないということですが、、。
このような動きは、全国的に広まっていきそうです。
不動産流通研究所の1月20日付け不動産ニュースからの記事を抜粋しますと
”三幸エステート(株)は20日、2020年12月度の東京都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)および全国6大都市(東京、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡)の大規模ビル(1フロア面積200坪以上)のマーケットデータを公表した。
東京都心5区の空室率は1.58%(前月比0.26ポイント上昇)と、5ヵ月連続で上昇した。20年4月の緊急事態宣言後、解約通知が出たビルでは後継テナントが見つからず、空床になるケースが増えているという。テナント退去は今後本格化すると見られ、空室率上昇が続く可能性は高いという。
1坪当たりの募集賃料は2万9,921円(同343円下落)となり、8ヵ月連続で下落し、19年4月以来の3万円割れ。募集面積は49万5,619坪(同1万5,604坪増)と、15年3月以来の50万坪台が目前に迫っている。
また、全国6大都市の空室率は、東京23区1.8%(同0.2ポイント上昇)、札幌市1.5%(同0.1ポイント上昇)、仙台市3.4%(同0.2ポイント上昇)、名古屋市1.5%(同0.1ポイント上昇)、大阪市2.0%(同0.1ポイント上昇)、福岡市1.7%(同0.3ポイント上昇)となった。”
これは、昨年12月時点ですので、これから更に空室が増えてくるのは間違いないと
思います。
募集面積が50万坪?とは驚きです。当然、需要と供給の関係から空室が増えれば
賃料は値下がりしていくことが予想されます。
これがコロナの影響だけであれば、コロナが終息すれば元に戻ることも考えられますが
冒頭の電通の例などはコロナが終息したとしても、働き方は、もう元には戻らないと
考えて売却を検討しているのではないでしょうか?
地方に影響が及んでくるのは、大都市から半年以上経過してからというのが
通説ですので、浜松などでは夏以降に本格化しそうです。