浜松で全国産業博覧会が開催された!?
昭和6年の浜松 全国産業博覧会の様子は?
約90年前の大博覧会
浜松市の歴史資料を調べていたら、戦前に浜松で大規模な「全国産業博覧会」と
いうものが開催されていたという記事を見つけました。
これは1931(昭和6)年3月15日から5月8日までの55日間にわたって行われたもので
浜松市が市制20周年記念として開催したものです。
浜松市にとって大規模なイベントの最初となったものだそうです。
具体的には、商工業都市として発展する浜松市の市街地振興と折からの昭和恐慌の
失業者対策のため、前年秋から会場造成、建設準備が行われました。
東西2つの会場を配置し、東会場を中区元浜町の西半分と天林寺境内、西会場を
中区鴨江町の現在の中部電力浜松営業所の敷地に設けました。
国産館、静岡県館、農林水産館、発明館、機械館、子供の国、音楽堂、演芸館など
多くのパビリオンが立ち並びました。
33の府県から新しい機械や工業製品、農産物、食料品、貿易品など約10万点もの
出品があったそうです。
本田宗一郎氏は自動車のホイールを、当時の中村市長も酒の「銀露」を出品しています。
浜松初の大規模な博覧会とあって、市民はもちろん、不況にもかかわらず全国各地から
約68万人が訪れました。
「春は浜松から」をキャッチフレーズに全国で宣伝を行い、会期中、鴨江寺の御開帳、
5月の凧揚げなどもあり67万人もの入場者がありました。
博覧会の収益は今のお金に換算すると6億円にもなったそうです。
この全国産業博覧会の大成功で商工都市・浜松の名は全国に知れわたったと言います。
残念ながら、その多くの建物などは戦争で焼失してしまいました。
しかし、今から90年近く前にこのような大博覧会が浜松で開催されていたとは
私は全く知りませんでした。
現在もコロナ禍で浜松だけではなく全国的に来年も不況に追い込まれるかも知れない
状況が続きそうですが、こんな前向きなイベントもやっていければ良いですよね?