私好みの小説家 白川道
白川道 作品の魅力とは?
作品の紹介
私が思う白川作品とは?
最後の無頼派のハードボイルド作家といわれた白川道(しらかわ とおる)氏
が亡くなってもう4年が過ぎました。
ドラマ化された作品もありますから、ご存知の方も多いでしょう。
私好みの作家だったんですが、もう彼の作品を二度と読むことが出来ないと
思うと、非常に残念です。
私の好みの小説というのは、文体が上品で知的でありながら、そこに
書かれている男は、社会からはみ出した男や常識外の行動をとる男(笑)
そして、社会からは疎外されていても、実は、知的で誠実で義理堅い男、そう
昔のドラマ「男たちの旅路」に出ていた鶴田浩二さんが、演じていたような昭和の
男が出てくるんです。
誰もわからないかも、、、(汗)古くてスミマセン(笑)
本人も、三浦友和さんとのある対談の中で言っています。
「男が憧れるような男と、現実にはいないだろうというくらい神々しい女性が
運命的な出会いを果たし、望まぬ何かに巻き込まれるそういうストーリーを
書きたい」と。。
まさに白川さんの本は、そういう感じでしたね。
男のこだわりと切なさ。
ドラマチックでロマンチックな小説。
臨場感と緊張感があり、男の強さ、弱さを描かせたら最高でした。
白川道の作品について
白川氏は、いくつかの職業や起業を経て、兜町の投資顧問会社に入社し
後に株式投資顧問会社を起業し、何十憶という金を動かし、1年間に1億円を
使い切るような生活をし、インサイダー取引やマネーロンダリング等の
違法行為で3年間服役したこともあるそうです。
服役中に小説の書き方を勉強し、49歳の時に「流星たちの宴」で作家デビュー。
この作品には、実際に経験したことがある人だけが書ける迫力のようなものが
ありました。
「海は涸いていた」名作です。
大人の珠玉短編集「カットグラス」
自叙伝的な作品の「病葉流れて」はシリーズ化
私は麻雀のルールすら知りませんが、出てくる麻雀の勝負シーンに興奮しました。
「天国の階段」「終着駅」「最も遠い銀河」「竜の道 飛翔編」
「冬の童話」などは、白川氏の真骨頂というべき小説でした。
映像化された作品に出ていた役所広司さんや三浦友和さんは適役でしたね。
亡くなるまでの約20年間の作家活動でした。
最後に、事実婚状態だった新潮社の中瀬ゆかりさんが書いていました。
亡くなったあと、机をみると万年筆の走り書きで
「世の中には心を焦がす人間とそうでない人間がいる。
この小説は心を焦がす人にだけ読んでもらいたい」と。