不動産売買のトラブルについて その1
不動産売買にまつわるトラブルの主な原因は?
重要事項説明に関するトラブル事例
トラブル事例のあれこれ
不動産流通推進センター2019年にまとめた主要原因紛争相談件数を
見てみますと、(平成29年度)
1.重要事項説明等(重要事項の不告知を含む) 38.3%
2.契約の解除(ローン不成立の解除を含む) 8.7%
3.報酬(高額報酬の請求を含む) 5.4%
以下、契約内容に係る書面の交付・預り金、申込証拠金等の返還、瑕疵問題、
媒介に伴う書面の交付が、4.2%~4.9%くらいで並んでいます。
過去5年をさかのぼっても、やはり1番は重要事項説明等のトラブルが、断トツです。
建物のインスペクションが出来たせいか瑕疵トラブルは年々減少してきています。
では、この重要事項説明等のトラブルとはどんなものでしょうか?
これは、相当な事例があります。今回は、あえてこの事例の主だったものを
列挙してみますね。
都市計画等の法令上の制限
・都市計画道路の計画線誤表示をめぐるトラブル
・区画整理事業地内の道路拡幅不告知をめぐるトラブル
・住宅の建築ができない土地の売買
・市街化調整区域内の土地の説明義務
・市街化調整区域についての虚偽の説明
・接道要件を具備しない宅地についての説明義務
・航空機騒音の告知義務
土地建物の問題点
・フローリング工事不可の不告知をめぐるトラブル
・前面道路の説明の誤り
・水道等についての説明不備
・越境物の不告知をめぐるトラブル(隣接地への越境等の説明など)
・土壌汚染に関する説明の未実施(土壌の来歴や従前の使用方法など)
・マンションの方位についての説明義務
・マンションの設備騒音についての説明
眺望・日照・周辺環境
・ごみ置き場に関する重説ミス
・近隣の悪臭の不告知をめぐるトラブル
・隣地マンションの新築による日照阻害によるトラブル
・浸水被害の調査義務をめぐるトラブル
・隣地住人からのクレームが予想される用途であることについての説明不備
・隣地の建築についての虚偽の説明
・隣人とのトラブルについての説明義務
その他
・差押えについての説明不足
・ペット飼育禁止の不告知
・滞納管理費及び修繕積立金の説明不備
・価格検討上の重要な事実の売主説明義務
これでも一部の事例です。
重要事項説明書というのは、不動産業者に説明義務があり、宅地建物取引士が
責任を持って作成し買主に説明します。
この事例からも、業者の調査不足、説明不足、売らんがための虚偽説明がトラブルの
原因になっていることが多いようですね?
手前みそで恐縮ですが、私はこの仕事を始めて33年間、訴訟(裁判)になった例は
1件もありませんよ、念のため。
では、続きは次回へ