不動産売買の解約について その1
不動産売買における解約の種類
白紙解約について
白紙解約とは?
不動産の売買契約を締結して、何らかの理由で解約したい、または解約して欲しいと
言われた場合、一般の方は、「手付金の倍返し」とか「違約金の支払い」とか
聞いたことがあるけど、なんだかよくわからないという方も多いと思います。
そこで、今回から契約の解約(解除)について書いてみたいと思います。
まず整理しておきますと、不動産売買において解約(解除)というのは、
3種類あります。
「白紙解約(解除)」と「手付解約(解除)」そして「違約解約(解除)」です。
すべてを説明すると、非常に長くなってしまいますので、今回は
まず「白紙解約」についてだけご説明します。
白紙解約というのは、簡単に言いますと、「その契約自体をなかったことにすること」
となります。
売買契約がなかったことになるわけですので、すでに支払った手付金や中間金などは
すべて返さなければなりません。
では、どんな場合が白紙解約の対象になるのかといえば
1.契約から物件の引渡しまでの間に天災地変により物件が滅失または
大きく毀損してしまい修繕も出来ないような状態になった時です。
自然災害で建物が倒壊してしまったりした場合などはこれに当たります。
これは売主・買主ともに責任がない場合に限られます。
2.融資利用の特約による解除
買主が売買代金の全額または一部を銀行からの融資を受けて購入する場合
通常は融資承認取得期日までに銀行の融資が否認されたとき、そして
契約解除期日までであれば、契約を解除できます。
契約書に、融資利用の特約でこの解除期日が明記されています。
この期日を過ぎた場合は、白紙解約とはなりませんので注意が必要です。
また、買主が故意や悪意によって、このローン特約を利用して解約しようと
した場合は白紙解約とはならない場合もあります。
(これについては、また別の機会にご説明します)
3.その他何らかの停止条件が特約としてついていた場合
・例えば、借地権の売買で地主からの承諾が得られなかった場合は
白紙解約とするという特約がある場合
・売主が複数いて、一人でも解約した場合は白紙解約とするという特約
・農地転用許可が認められなかった場合は、白紙解約とするという特約
・建築確認許可や開発許可が得られなかった場合には解除するという特約
・測量図が交付されなかった場合は、白紙解約にするという特約
など、特約欄に○○がなされること(またはなされないこと)を
停止条件とするなどと書いてある場合が、これに当たります。
そして契約が白紙解約となった場合は、不動産業者の仲介手数料の請求権も
消滅します。(仲介手数料は頂けません)
続きはまた次回にします。