これは事故物件ですか?
自然死でも事故物件になるケースとは?
増えるお年寄りの一人暮らし
先日、ある法律事務所さんからの依頼で中古住宅を売却致しました。
この物件には、一人暮らしのお年寄りが住んでいたのですが、その家で急死してしまい
ました。
同居家族はなく、身寄りの方も高齢で施設に入っていたため発見が遅れました。
数カ月経過して発見されたため、遺体の損傷や臭気も激しい状態だったらしいです。
そして、この物件には、もう誰も住む人もいないため私に査定依頼と売却依頼が
来ました。
今回のようなケースの場合、いわゆる事故物件に該当するのでしょうか?
国土交通省の人の死の告知に関するガイドラインによれば、自宅内での病気による
自然死は原則として告知の義務はありません。
また日常生活における不慮の事故死も、原則告知の義務はありません。
・自宅の階段からの転落死
・入浴中の溺死
・転倒事故
・食事中の誤嚥など日常生活で生じた事故
などです。
しかし、例外があります。
それは特殊清掃や大規模リフォームなどが行われた場合です。
上に挙げた事案でも、人が死亡し発見が遅れ、長期間放置されたことで室内外の臭いや
害虫が発生した場合、特殊清掃や大規模リフォーム等が行われるケースがあります。
その場合、買主・借主の判断に影響を及ぼす度合いが高いと判断されるため、
告知義務が生じるのです。
告知義務が生じるということは、いわゆる事故物件扱いとなってしまうのです。
ですので、今回のケースは事故物件となり、売却する場合には特殊清掃費用や
大規模リフォーム費用などが差し引かれ、現場の状態によっては相場の80%~50%
くらいまで金額が抑えられてしまいます。
また現実的には、このような物件を進んで買おうという人の割合は少ないですので
たとえ安くしても売却するは大変です。
殺人や自殺など事件性がなくても、このように事故物件扱いになるケースが
あります。
そして一人暮らしの高齢者が増加していることからもこのようなケースは、
今後増えていくことでしょう。