消えゆく連帯保証人?
家賃保証会社の利用が増えた理由は?
連帯保証人になってくれる人がいない?
当社は、不動産売買が専門ですので不動産賃貸については専門外ですが、時々
賃貸についても質問を受けたりします。
専門外と言いましても、以前は賃貸もやってましたので全く知識が無い訳でもありま
せんよ。(笑)
今回はその時、話題になった保証会社についてのお話です。
その大家さんとは、事あるごとに相談をお受けしている旧知の間柄です。
「今は、連帯保証人ってないの?」というご質問でした。
現在、入居者募集を依頼している賃貸会社から「当社は、連帯保証人ではなく
すべて保証会社にしている」という話をその大家さんは聞いて、どういうことなのか
私に確認をしたという訳でした。
確かに年々保証会社を利用する大家さんが増えている気がします。
そこで改めてどのくらいの割合なのか調べてみました。
ちなみに、保証会社とは、家賃保証会社のことで借主が家賃を滞納した際に、
代わりに貸主に家賃等を支払うことを保証している会社のことです。
2010年から2014年にかけて、家賃債務保証会社の利用を求める割合は39%から56%に
増加していました。
日本賃貸住宅管理協会の調査によると、2017年の連帯保証人と保証会社の利用状況は
「保証会社のみ」とする回答が49.8%。
連帯保証人と保証会社の両方を求めたケースも19.6%ありました。
つまり、保証会社を利用している割合は、約70%くらいですね。
(連帯保証人のみは13.9%でした。)
さらに国土交通省が発表したデータによると、2020年度の家賃保証会社の利用率
約80%にまで上昇していることが分かったそうです。
ということは、現在はもっと増えているということでしょう。
このように急速に保証会社を利用しているケースが増えているようです。
その理由として考えられることは、、
・高齢者の単身世帯が増えたことで連帯保証人になってくれる人が
いないケースが増加(連帯保証人の条件に合わない人も増えた)
・以前のように職場の上司や知人に頼みにくい時代になった(人間関係の希薄化?)
そして、もう一つ大きな理由として2020年4月に施行された民法改正により、
個人が保証人になる契約においては、支払いの責任を負う金額の極度額(上限額)を
定めなければならなくなったことです。
これにより、高額な保証金額が提示された場合は連帯保証人になることを
ためらう人がいたり、逆に保証金額が低い場合は、大家さん側がリスク回避のために
保証会社を利用するというケースが増えたのではないかと想像します。
今後も保証会社の利用は増えそうですね。