収益物件の売却を検討するポイントは?
老朽化物件売却について
立地条件が非常に悪い場合は?
10年後に売却する場合のシュミレーション
立地条件が悪い場合は?
老朽化したアパート・マンションの売却について考えていきます。
前回と前々回の記事で取り上げてきましたが、所有不動産が老朽化し
建替えか売却かで悩んだときは、まず現在の所有物件について改めて立地や周辺環境の
変化などを調査をし、ニーズがどのくらいあるのかを知ること。
そして防音室がある音楽愛好家専用マンションなどアイディアを出したり間取り
設備の工夫で競合物件と差別化が図れるかなどを検討すること。
上記の検討をした上で、それでもニーズがなく売却しか選択肢がないと判断した場合は、
速やかに動かれることをお勧めします。
その場合は、売却価格もあまり高望みはできない可能性があります。
購入者も同じようにニーズが少ないエリアと考えますので、入居状況によっては、
建物解体費用を差し引いた土地価格になってしまうということもあり得ます。
こういうケースは、稀なケースだと思いますが、立地条件が非常に悪く
将来性もない場合は、土地だけでも売却できるかの検討も必要になります。
築30年のマンションを売却するシュミレーション
Aマンション(仮定)
鉄筋コンクリート造 3階建て 総戸数9戸(2DK) 築30年
月額家賃 45,000円 × 9戸 = 405,000円
現在の土地価格 4000万円 (200坪 × 坪20万円)
解体費用 1500万円
年間家賃 486万円(405,000円 × 12か月分)
この物件を収益物件として売却しようとすると、築年数から考えても
利回り12~14%くらいと仮定(立地条件によってですが)
あいだを取って13%の利回りで収益還元法で計算すると、現在の売却価格は
土地と建物(入居者付き)で、約3,700万円となります。
このマンションをあと10年維持してから、建物を解体して売却しようとしたら
どうなるでしょうか?
10年間の賃料 3400万円(年間賃料486万円×70%(入居率)× 10年間)
立退き料 70%の入居率と仮定すると残り6戸×70万円=420万円
(敷金返却分含む)
土地価格 3,600万円(1年で1%ずつ下落すると仮定)
10年分賃料3,400万円+土地価格3,600万円=7,000万円
これから、解体費用1,500万円と立退料420万円を差し引くと
5,080万円となります。
わかりやすいように大きな数字だけあげましたが、実際には固定資産税や
所得税、10年分の維持費、そして修繕費などは含まれていません。
10年後に売却したほうが、机上のシュミレーションでは、
確かに利益は大きくなりますが、あくまで10年間、事故や事件もなく
日本経済も安定し、税制も変わらず地価も大幅に下落しない、
大きな修繕費も掛からず、資産価値が落ちないという前提での話です。
10年後に売却することの利益を取るか、老朽化した物件のリスクを
考えて、すぐに売却するかは、所有者の判断になります。
長くなりましたので、次回はメリット・デメリットからこの辺を
考えてみたいと思います。
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