委任状には、ご注意を!
売主のリスクと買主のリスクとは?
本当に任せて大丈夫?
不動産売買には、場合によっては「委任状」を使うことがあります。
私が業務でお客様から頂く委任状には、課税証明書を本人に代わって取得するための
委任状や、委任状ではないですが、上・下水道の敷地内配管を調べたり、建築確認書を
調べたりするのに使う同意書があります。
これらは、お客様の手間を取らせないためや重要事項説明書に必要な調査のために
使います。
このような委任状であれば良いのですが、注意したいのは不動産売却を代理委任する
委任状です。
もちろんちゃんとした理由があって委任する場合もあります。
・売却物件や当事者が遠方の場合
・所有者が複数いる場合や共有持ち分となっている不動産売却の場合
・弁護士に依頼している場合
・当事者が未成年の場合
などがあります。
不動産売却に伴う委任には、売主・買主双方にリスクがあります。
売主のリスクは、委任者(代理人)に対して、どのような権限を与える内容に
なっているのかにも依ります。
例えば、委任状に○○不動産売却に関する一切の件などとなっていれば、契約の場で
売買金額を値引きすることも出来てしまいますし、不利な条件を付けられてしまう
こともあるかも知れません。
絶対的に信用できる代理人でない限り、一切の権限を与えてしまうのはとても
怖いことです。
買主にとってのリスクは、その代理人が、本当の代理人であるかどうかということです。
お金を払う側の買主の方が、より慎重にその委任が本物なのか、偽造したものかを
見極める必要があります。
事前に本当の所有者に確認を取っておくことは必須だと思います。
また、認知症などで意思能力のない方からの委任状は、たとえ本人が認めたとしても
成年後見人などの法定代理人が代理でない限り、無効となってしまいますので
ご注意ください。