「指値」について考える その2
指値を成功させるコツとは?
交渉するうえで大切なことは?
前回の不動産ブログの続きです。今回はもう少し具体的に指値を成功させる
コツみたいなものを書いてみたいと思います。
まず最初に当たり前かも知れませんが、「誰と交渉するのが一番効果的か?」
ということです。
おそらく、買主が直接売主と交渉できることは、中々ありません。
通常は、仲介の不動産会社に依頼をしますが、その不動産会社が直に売主と
話ができるのか?
それとも元付け(売主側の)不動産会社を介しての交渉となるのか?を知っておく
ことです。
これは、売主の売却理由や事情をつかめるかどうかに繋がってきます。
売主と直接話ができる不動産会社なら、売主の売却理由をより詳しく知ることが
できるからです。
相続した物件を早く現金化したい場合や、まとまった現金を必要としていて
売り急いでいる場合などは、指値が通りやすい傾向があります。
また、長期間売れていない物件(売れ残っている)などもそうでしょう。
逆に売主のローン残債が多い場合などは、指値交渉のハードルは高いかもしれません。
「指値の根拠を売主に説明すること」
物件のマイナス面、近隣の価格相場、金融機関からの評価など、客観的かつ具体的な
根拠を示すことが大切です。
例えば、「雨漏りがするので、その修繕費を値引きしてもらいたい。」
「金融機関の評価がこれくらいしか出ないから、、」
「近隣の相場は、これくらいだからそれにもう少し近づけて欲しい」などです。
できれば、見積りや資料なども添付すると、よりわかりやすいと思います。
「非常識な指値をしないこと」
販売価格の半値とか、あまりに大幅な指値をすると売主が怒って、後で通常価格で
購入したいと言っても、売主さんが感情的になってしまい売ってくれないことが
あります。
元々300万円の値引きで購入しても構わないのに、最初にかましてやろうと
600万円の指値をして売主を怒らせてしまい、どうにもならない事態になって
しまったという例もあります。
ある程度の指値の目安というものが、大体物件価格の5%~10%前後ですので、
それを大幅に超える場合は、前に述べたように具体的な根拠を示さないと
いけません。(それも売主を怒らせないような配慮をしてです。)
中には、なぜこの物件を購入したいのかを熱意や誠意をもって直筆の手紙を
購入申込書と共に我々に託す方もいらっしゃいます。
売主からしたら、大切な資産である不動産を売却するため、誠実な買主に買って
もらいたいものです。
この売主の気持ちを大切にした上で、交渉にあたることを私も常に心掛けています。
最後に指値を提示するのは必ず「購入が決まる前」が原則であり、購入が決まってから
後出しで指値交渉をするというのは、信義則違反ですよ。