賃貸物件を無断で法人登記すると？

居住用の賃貸物件を事務所使用にしたら？

借りているマンション・アパートの１室を無断で法人登記をすることは可能でしょうか？

答えは、賃貸物件の住所を本店所在地とすることについて、法律上は特に制限が

ありません。

法人の本店所在地は、自己所有物件である必要はなく、登記の際に賃貸借契約等の

内容が確認されることもありません。

ただし、、ですよ。

賃貸借契約では、賃貸物件の利用目的が限定されているのが一般的です。

賃貸借契約書の利用目的欄に、「居住用」とか「事務所」「店舗」などと

書かれています。

もし賃貸借契約上の利用目的が「居住用」である場合には、事務所利用は認められず、

契約違反となってしまいます。

また、分譲マンションでも、管理規約で居室の利用方法が制限されているケースが

あります。

賃貸物件の事務所利用が賃貸借契約の違反に該当する場合、賃貸人によって

賃貸借契約が解除されるおそれがあります。

そうなりますと、せっかく登記に費やした時間や費用、そして信用も失います。

さらに、人の出入りや商品の搬入などで賃貸人や周辺住民が、居室の

事務所利用によって、実際に損害を被った場合には、賃借人は損害賠償請求を受ける

おそれもあります。

現状は事務所利用がバレていないとしても、将来的に取引先とトラブルになった場合

などには、本店所在地として登記されている賃貸物件の周辺で何らかの問題が

発生する可能性も考えられます。

このようなリスクを考慮すると、賃貸物件を賃貸人に無断で法人登記することは、

決してお勧めできません。

キチンと賃貸人に了解を得るか、事務所使用が可能な物件で登記をする方が

賢明でしょうね。