一所懸命と一生懸命?
一所懸命の由来は?
一生懸命の本当の意味は?
一生懸命は、いつから言われるようになったのか?
今では、「一生懸命」と書くのが一般的ですが、元々は「一所懸命」というのが
語源だそうです。
では、いつ頃から使われた言葉なのかを調べてみますと、鎌倉時代に遡るのですね?
昔、習ったことではありますが、源頼朝が1192年征夷大将軍に任命され鎌倉幕府を
開きました。
この時代は将軍の家来を御家人と読んでいて、御家人は頼朝から領地を
もらっていました。
一所懸命の「一所」は、御家人が賜った「一カ所」の領地、つまり土地を意味します。
その先祖代々の土地を武士が命がけで守ったことから生まれた言葉ということに
なります。
その「ご恩」に報いるため「いざ鎌倉」という時には、どこにいようと、率先して
将軍が住む鎌倉に向かう、当時の武士の心意気が現れていますね。
それが転じて「生死をかけるような,さし迫った事態。」,さらには「命がけのこと」
を意味するようになりました。
そして、「一所懸命」が本来の語義を離れて「命がけのこと」を意味する言葉として
広く用いられるようになってから,「一生懸命」と字を変えるに至ったそうです。
このように「一生懸命」に変わるようになったのは、近代になってからなのかと
思っていましたが、意外にも江戸時代には浄瑠璃などで「一生懸命」の用例が
見られるそうですよ。
最後に、「私も一生懸命仕事を頑張ります」と言って締めたいところですが、
なんという本かは忘れましたが、こんなことが書かれていました。
自分で「仕事を一生懸命やってる」って言ってはいけない。
「仕事を一生懸命にやるのは当たり前のこと。誰でもやっている。だが、
自分では精一杯やっているつもりでも、まだまだ努力すべきところがたくさんある。
一生懸命やっているということは自分で言うことではなく、他人から高く評価されて
初めて言われるのだ」