浸水対策の手引き
浸水の深度と被害額の関係
ハザードマップを確認しましょう
昨年の7月に一般社団法人 住宅生産団体連合会というところから、
「住宅における浸水対策の設計の手引き」というものが発表されました。
これは、浸水の深さによって住宅が受ける被害は異なり、対策も異なることを住宅の
プロが設計の指針としてまとめたものです。
住宅を設計する人に向けての手引きですが、そんなに専門的な内容ではありませんので
ご興味のある方はこちらから↓
https://www.judanren.or.jp/activity/committee/pdf/seino_shinsui_210726.pdf
この手引書のなかで言っていることは、
浸水の深さによって被害の様相は全く異なるという点です。
住宅がどこまで浸水するかを目安に浸水想定区分を床下浸水、床上浸水に分け、
さらに床上浸水をGL+1.5m(GLとは地盤面の高さ。グラウンド・レベル)、
1階天井下まで浸水、1階天井下から2階床上まで、2階床上越えの5種類に分けて
見ています。
それを復旧するためにかかる工事費用が新築工事費用に対してどのくらいになるのかが
各区分ごとに説明されています。
例えば床下浸水であれば復旧工事費は新築工事費用に対して1%程度。
ところが、GL+1.5mまでの床上浸水になると復旧工事費用の割合は30~50%と一気に
高額になります。
当然、深くなればなるほど復旧工事費用の割合は高くなり、2階床上越えともなると
復旧より建替えを検討する必要も出てきます。
なによりも、家を建てる土地を自由に選べる人であれば、ハザードマップを
確認して、浸水被害の危険性のない地域の中から選ぶということが一番です。
また、住宅を建築する土地が決まっている方でも、その場所の浸水想定深水度を
確認してください。
想定深水の高さが、50センチ以下でしたら、住宅を建てる時に
基礎を高くするか敷地全体に盛土をして嵩上げするというやり方で施工しておくと
安心です。
逆に中古住宅の購入を検討されている方で、見学時に、その住宅に盛土がされていたり
基礎が普通より高くなっていたらそのエリアの浸水を疑ってください。
その他、この手引書には、浸水を防ぐための給排水設備、外壁、シーリング、ドアや
窓の施工に至るまで触れていますので、ご興味のある方はご一読を!