地中埋設物ってなに?
地中埋設物とは?
なにが地中に埋まっている?
あまり不動産関係のお仕事でない限り、「地中埋設物」という言葉を聞くことは
少ないと思います。
「地中埋設物」とは、地面の中に埋まっているコンクリートのガラや杭、井戸、
浄化槽、地下室などの構造物、下水道管、遺跡などが挙げられます。
更地で売買した場合、地面の中のことは売主さんに聞いても、よくわからないことが
多く、買主さんが実際に建築や地盤調査をして初めて見つかる場合もあります。
私が扱った事例では、市街化調整区域の田んぼを売買したケースがあります。
謄本上の地目は、「田」となっているのですが、現状は埋め立てられていて雑種地に
なっていました。
調整区域の土地ですので(確か大規模既存集落内でした)売買価格は、そんなに
高くありませんでした。
契約前に売主さんに「地中埋設物はありませんか?」と伺っても、先々代の
おじいさんが埋め立てたらしく全くわからないとのことでした。
そこで契約書に、建築に支障をきたすような地中埋設物が発見された場合に
ついての特約を入れました。
実際に建築工事が始まると、地中からコンクリートガラやビニールゴミなどが
大量に発見されました。
これは恐らくどこかの道路工事で出たガラを埋め立てたものと推察されますが、
今となっては、どうしようもありません。
(昔は田んぼを安く埋めてあげるといって、このようなガラを廃棄した例が
よくあったようです。)
結局、売主さんは、売買価格とそんなに変わらないくらいの撤去費用を負担することと
なってしまいました。
また、ある時は、地下から戦争当時の軍需工場の地下室みたいなものが出て来て
びっくりしたこともありました。
このように「地中埋設物」が埋まっているかどうかというのは、不明な場合が
多いですので、その取扱いについて契約前によく取り決めておくことが大切です。
そして、我々も航空写真や聞き取りなどで出来る限り「土地履歴」を調査することが
重要となってきます。
お正月休みの時にでも、実家の土地は以前、何が建っていたのかなどを
おじいさんなどに聞いておくのもいいかもしれませんね?