眼病に功徳あり 舘山寺穴大師
舘山寺穴大師とは?
なぜ眼病に効くのか?
舘山寺は、平安時代810年に弘法大師が高野山より仏堂行脚の途中に舘山(たてやま)
を訪れ修業した際に開創されたと云われています。
明治3年の「神仏分離令」により一度は廃寺となりましたが、明治23年に、
秋葉の火祭りで有名な秋葉山・秋葉寺(しゅうようじ)住職・牧泰禅(まきたいぜん)
和尚により再興されたのです。
舘山寺穴大師は、その舘山寺本堂の裏手にあります。
舘山寺本堂に向かって右手側から回り、穴大師・聖観音菩薩像方面に向かうと
看板が見えて来ます。
入り口に書いてある由来をご紹介します。
"約1500年前の横穴式古墳で、遺骨を置く玄室と、外部に通ずる廊下(羨道)からなる。
寛政年間(1789~1800)版行の東海道名所図絵にも、火穴としてこの古墳が紹介され
いる。
弘法大師が各地を遍歴しておられたとき、館山に立ち寄られ洞穴を見つけ、そこで
三十七昼夜修行された。
そのお礼にと舘山寺を開創された。
奥には、自作の弘法大師の石仏が安置されている。
昔より穴大師とよばれ、心願成就のお大師様として信仰されているが、
特に眼病平癒に関しては功徳がはかり知れないといわれています。"
ということで弘法大師(空海)が21日間こもり修行をされた古墳時代の石室
なんですね?
この石室は弘法大師の岩穴ということで「穴大師」と呼ばれるようになったそうです。
ではなぜ、穴大師が目のご利益スポットとして知られるようになったのでしょうか?
それにはこんな不思議な言い伝えがあります。
明治時代に舘山寺の門前に住んでいた竹四郎という百姓がいました。
ある日、竹四郎は農作業中に草の葉で目を突いてしまい、目が不自由になって
しまいました。
信仰心の薄い竹四郎でしたが、思案の末、心を入れ替え弘法大師様におすがりしようと
毎朝穴大師までお参りを続けました。
それからしばらく経ったある時、手拭いをくわえたトビが現れ、手拭いを落として
そのままどこかに飛んでいきました。
竹四郎はその手拭いを家に持ち帰り、毎朝顔を洗った後に丁寧に目を拭きました。
すると不思議なことに、日に日に視力が回復していったのです。
弘法大師様に感謝した竹四郎は手拭いを家宝にし、いっそう仕事に励んで幸せに
暮らしたのだとか。
それ以来、穴大師は眼病平癒の信仰をあつめるようになったそうですよ。