日本最古の自転車屋さん 浜松のミソノイサイクル
日本最古の自転車屋さん ミソノイサイクルの歴史
サイクリング発祥の地 浜松
先月の12日、ミソノイサイクル会長の御園井宏昌氏がご逝去されました。
御園井さんは、浜松商店界連盟会長も長年なさっておられました。
私も高校時代に自転車競技をやっていた関係で、ミソノイさんには、大変お世話に
なりました。
現在の5代目社長、御園井智三郎さんとは、学校は違いましたが、私の一つ先輩で
同じレーシングチームに所属し、一緒に練習をしてもらった間柄でもあります。
このミソノイサイクルさんですが、現存する日本最古の自転車屋さんでもあるのです。
今年で創業123年になるそうです。
1897(明治30)年春に創業した同店。
明治30年と言われてもピンと来ませんが、西郷隆盛が西南戦争で戦死したわずか
20年後ですよ?
想像もつきませんが、その頃の日本で自転車は、一般的な会社員の年収に相当する
ほど高価なものであったようです。
浜松経済新聞の2017年の記事からミソノイさんの沿革をご紹介しますと
「もともと、新町(現在の中区中央)で米穀商を営んでいたが、後に2代目となる
夘平(うへい)さんの自転車競技への参加から自転車修理業を始めた。
1903(明治36)年に自転車販売店へと業態を変え、1905(明治38)年に
「御園井自転車商会」として経営が始まった。
初代・十七蔵(となぞう)さん、2代目・夘平さん、3代目・董一郎
(とういちろう)さんと受け継ぎ、1935(昭和10)年に鍛冶町に出店。
その後、第二次世界大戦を経て、終戦後は鍛冶町に戻り、自転車小売店として復興した。
1952(昭和27)年には株式会社へと改組。
1957(昭和32)年に浜名湖周辺で全国初の「サイクリングラリー大会」
(主催は日本サイクリング協会)を開催し、浜松が「サイクリング発祥の地」として、
サイクリング愛好者たちが集まる地域となる。」
現在は、有楽街本店のほか、しじみづか店、元城店と3店舗を経営。
最後に平成29年7月28日の静岡新聞の御園井宏昌さんのインタビュー記事から
ご本人のお言葉を一部ご紹介します。
”趣味の幅もますます広がり、自転車の進化は日進月歩です。
この流れを追い風に、より「本物志向」にこだわりたいと思います。
高級自転車を売りたいという意味ではありません。
一生大事にされる自転車を提供する。そして、自転車を大事にしてくれるお客様との
お付き合いを200年、300年と続けていきたい。
そんなことを切に願っています”
心に刻んでおきたい言葉ですね。私も見習いたいと思います。
これからも、浜松のシンボルとしてますます発展していかれることを願っています。