2020年の不動産市場を予測する
3つのキーワードとは?
今年の不動産市場は厳しい見通し
先月のスーモ掲載記事から、2020年の不動産市場について予測していましたので
私の意見も盛り込みながら一部抜粋してお伝えします。
3つのキーワードをあげて予測していますので、それに沿って行きます。
「さらなる災害リスク」
2019年の台風15号や19号が国内各地に甚大な水害、災害をもたらしたのは、
記憶に新しいところですが、今後も災害リスクは、ますます高まっていくでしょう。
浸水可能性のある地域を避けるという不動産選びの動きが顕著になってくるでしょう。
現時点では、義務化されていない「不動産契約時にハザードマップの説明義務付け」
「災害リスクを金融機関の担保評価に織り込み」といった動きが出てくるかも
しれません。
そうなると、「災害可能性に応じた火災保険料の設定」は必至で、例えば
楽天損害保険は4月から「住宅が高台などにある契約者の保険料は基準より
10%近く下げる。一方、床上浸水のリスクが高い川沿いなどに住む契約者の
保険料を30~40%高くする」としています。
「屋根工事」のやり方にも注目が集まりそうです。
昨年9月の台風では多くの地域で屋根が飛ぶなどの被害が出ましたが、この
被災の分かれ目は、2001年(平成13年)8月以降の屋根工事だったか
どうかだそうです。
これは、2001年に示された「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」に沿った
やり方で工事が行われていたか、どうかなのだそうです。
このガイドライン以前の屋根工事では、一定以上の風量には全く対応できません。
「不動産価格のピーク感」
不動産価格のピーク感も鮮明になってきました。好不調を占う契約率も
恒常的に70%を割り込むなど息切れ感。
マンション供給も下落が続いています。消費税10%の影響が、今年は特に
出てくると思われます。
また、収益物件の融資についても、昨年から融資枠が絞られた状態が続いており
よほど属性の良い人ではない限り、融資を受けるのがむずかしくなっています。
その結果、属性の良い「買える人」のもとには、いろいろな物件情報が必然的に
集まります。そういう人はその中から、一番条件の良い物件を選べば言いわけです。
選ばれる(買ってもらう)には、立地が悪ければ、価格を下げて利回りを上げるなど
しますので、収益物件全体の価格も下がっていく傾向にあります。
「政治の動き」
世界を見渡せば、新型コロナウイルス、香港デモ、中東情勢、貿易戦争など
火種がいくらでも転がっています。
世界の政治経済情勢はかつてなく不安定な状況です。
もし有事となれば、日本円やスイスフランのように通貨の強い国はデフレ、
それ以外の国はインフレに向かう可能性が高く、これも国内不動産価格には
下落圧力となります。
今年の不動産市場予測は、「大きなトピックがなければ横ばいまたはややマイナス」
「世界の政治経済情勢に大きな変化があれば大きくマイナス」だそうですよ。