子供たちが相続したくない不動産とは?
借地や賃貸マンションはいらない?
こんな不動産はいらない?
私の経験上思うことですが、いろいろなお客様とお話をしていると
親が子供に相続させたくない不動産と子供が親からもらいたくない不動産は
ほぼ同じように感じます。
それは、借地(借地権付き土地)と多額の借入れが残っているマンション・
アパートです。
これは、親も子も認識は同じみたいですね。
借地の場合は、今までにも記事にして来ましたが、旧借地権での借地は、借地人が
地代を数年滞納でもしない限り、地主側から解約は出来ません。
時々、「半年前に言えば、出て行ってくれるんでしょ?」とか「借地契約が
満期になれば更新はできないんじゃないの?」というようなご質問を受けますが、
どちらも地主側に正当事由がない限り認められません。
そして、この地主側の正当事由というのが裁判で認められた例は、ごくわずかです。
ほとんどの場合、裁判をしても大家さん側(地主側)が負けます。
親、またはその前の世代の時に、何らかの事情もあって土地を貸してあげたと思う
のですが、地主も借地人も代替わりをすれば、その辺の事情もわからなくなり、
お互いの関係も薄れてもめごとも多くなってきます。
子供からすれば、「なんでこんなに安い地代なんだ?」と思ったりもします。
地代を上げる上げないで裁判に発展することもあります。
このように、土地活用からすれば極めて効率が悪く、尚且つ人間関係も、わずらわしい
となれば、子供たちが相続したくない不動産の筆頭になるのも、うなづけます。
親が、もし借地を多く持っているような地主さんなら相続が発生する前に、
底地権を借地人に買い取ってもらうか、借地権を買い取るか、または、
底地権と借地権を同時に第三者に売却するなどして、借地契約を解消して
おいてあげる方が、宜しいかと思います。
借入が多く残っているマンション・アパートについては、こちらも
「管理や申告などが面倒くさい」「もし何かあったら、借金が返済できるのか
どうか不安だ」「管理会社や入居者とのやり取りが苦手」
というような理由から、敬遠されるようです。
人口減少、空き家も増えて来ています。
何も努力しないで、入居者募集の張り紙だけ出していれば満室になるという時代は
終わりました。
不動産賃貸業としての経営力が求められる時代です。
管理会社に依頼していたとしても、日頃の勉強や所有物件のチェックは、怠っては
いけません。
お子さんが、主婦やサラリーマンなど、他に仕事をお持ちの場合や
遠方に住んでいる場合などは、よほどやる気がない限りは厳しいかも知れません。
自分が建てたマンションではなく、親(祖父)が建てて、相続の役目も
一度は果たしたというマンションだから、自分の代で始末をつけるという
方もおられました。
それはその方が、親からマンションを引き継いで大変苦労をされて
マンションを維持してきたから、その苦労を子供にはさせたくないという訳です。
結局、子供からすれば相続でもらって一番嬉しいものは、面倒がない「現金」が
一番ということになるようですが、、、、。(笑)
しかし、それでは有効な相続対策にはなりません。資産を多くお持ちの地主さんは
お子さんがある年齢になったら、自分の家の不動産の活用や運用、相続対策に
ついて教育していくのが正解かもしれません。