不動産売買の「仮契約」って？

本契約とは何か？

お客様と契約についてお話をしていますと、時々契約と決済を勘違いされている

方がいらっしゃいます。

そういう方たちの多くは、、漠然と「仮契約」は売買契約を締結して売主が手付金を

受け取ること、「本契約」は残金を受け取って物件を引き渡すことだと考えています。

我々からしたら、不動産売買において「仮契約」というようなことはまずあり得ません。

もし「仮契約」という話が出た場合は、「申し込み」または「本契約」のいずれかに

該当するはずです。

厳密には「予約契約」「売買予約」という手法があることはありますが、

まず一般的な契約で使うことはありません。

これは将来において売買契約を成立させることを約束する契約のことですが、

不動産の売買予約については、所有権移転請求権を仮登記することによって第三者に

対抗するような特殊な場合ですので、通常の住宅や土地取引では行いません。

（稀に市街化調整区域の農地転用に関係して行われるケースがあります。）

「申し込み」というのは、「買付証明書」「購入申込書」などを売主側に提出する

ことですが、まだ契約に至っていませんので、原則として違約金を支払うことなく

キャンセルすることが出来ます。

また申し込みの段階では、手付金のやり取りも行われていない筈ですが、買主が

申込金を支払っている場合は、原則としてその返還を受けることが出来ます。

そして、手付金を支払って行うのが「本契約」です。

仮契約ではなく、売買契約が成立しているため、解約をしようとすれば当然違約金

（手付解除等も）が発生します。

業者からすればこの手付金の授受を行う契約こそが一番大切です。

決して仮契約などと思ってはいません。

ローン特約で白紙解約というケースもありますが、事前に解約というようなことが

ないように準備をして契約に臨みます。

逆に勘違いされている人たちが本契約？だと思っている所有権移転（決済）については

粛々と進める事務処理みたいな感じだと私は思っています。

不動産売買において「仮」の契約などないと思っていれば間違いないと思います。