富士より三里のお話 浜松 龍禅寺
「富士より三里」のお話について
ふじってどういうこと?
今回は、浜松市の龍禅寺にまつわるお話をご紹介します。
中日新聞2020年3月31日の記事を参考、一部抜粋して紹介します。
いつの時代の話なのかはわかりませんが、龍禅寺には立派な山門がありました。
(現在も立派な山門があります。)
その山門には、仁王像が立っておりましたが、年月とともに傷みが出だし、山門の
柱が腐り、屋根瓦が落ちて見る影もない姿になってしまいました。
和尚さんは、なんとかしなければとため息をつく毎日、、。
見かねた村人が山門を建て直すためのお金を集めましたが、全然足りません。
ある時、和尚さんは蔵の中から、「万が一、寺を修理する時は、『ふじよりさんり』の
ところに埋めた金を使う事」と書かれた文書を見つけました。
和尚さんは、急いで村人を集めました。
「『ふじよりさんり』というのは、富士山の麓ということでは?
富士山の近くで龍禅寺に関わりのある所を探そうと、村人は勢い込んで富士山へ
探しに行きました。ところが、どんなに探しても見つかりません。
1年が過ぎ、みんな、諦めて帰ってきました。
数年後、「ふじよりさんりに金がある」の文書をすっかり忘れてしまった頃のことです。
とうとう仁王様の手足もばらばらになってしまいました。痛ましく思った村人が、
外れかけた膝頭を直そうとした時、キラッと光る物を見つけました。
何だろうと思いながらほこりをはらうと、金色に輝いたお金が次々に出てきました。
どういうことかと言いますと、昔は、足のももの辺りを「ふじ」と言い、膝の下を
「さんり」と言うことがあったそうです。
「ふじよりさんり」とは、「仁王様の足元を探せ!」ということだったのだとか、、。
もちろんそのお金でりっぱな山門に建て直したということです。
こんなお話を思い出しながら龍禅寺を訪れてみるのもおもしろいかも知れませんよ。